この高校に入って半年。梨佐と付き合いだしてからもほぼ半年。別に隠す必要もないし隠してもいないが、誰ひとりとして信じていない。
――俺と梨佐が、付き合っていること。
騒動の翌日、腫れモノ認定されたのは良かったけれど……?
梨佐の誕生日。例年のように棚町家を訪れた俺は、「彼女の父親」という重圧にさらされていた。それなのに梨佐はいつものとおり、無邪気に俺に笑いかける。……ああ、俺の明日はどっちだ。
名前も知らない男子に告白された梨佐。こういう時、梨佐は決まって機嫌が最悪になる。男なんて欠片も信じていない梨佐が、一体どうしてあのとき俺に告白してきたんだろう。
付き合い出して初めてのバレンタイン。梨佐からもらったチョコレートは、意外すぎるものだった。
例のバレンタインから一カ月。ショッピングモールにて、俺は立ち往生していた。
4月、新学期。またもや梨佐と同じクラスになって、安心半分、落胆半分だった俺は、新しいクラスメイトの中にヤツを発見して固まった。久慈 恵――ヤツは、梨佐の天敵。
梨佐と礼ちゃんに答えてもらいました。